作業工程

仕事の種類

みなさんこんにちわ!!コテツです!!

今回は自動車を作る工場においてどんな仕事(部署)があるのかざっくりと説明してきたいと思います。
ぶっちゃけ全てを深掘り出来るほど全工程で働いた訳ではないので、僕が知っている範囲でご説明いたします!って当たり前か(^◇^;)

工程・部署

自動車を作っている生産工場はとても大きいです。
作ってる物が大きいですからね、最初に赴任した時は敷地の広さにほんとびっくりしました。
どこかのテーマパークなみです。

なので実際に何年も働いていたとしても敷地内を全て把握する事はほぼ不可能です。
そもそも自分の工程以外行かないですからね、用事が無いので行きません。
多分、正社員の方でも全体を把握している人はそんなに多く無いのでは?
ざっくりとした位置関係は知っていると思うのですが、なんせめちゃくちゃ広い。

自動車の製造において工程を大きく分けると、プレス、溶接、塗装、エンジン、組み立て、検査、出荷の7段階でしょうか。

でわ、順番に説明して行きますね。

プレス工程

プレスは自動車の車体を形作る第一歩ですね。
製鉄工場からロール状に巻かれた鉄板が運ばれてきます。
もちろん人の手で動かせるような代物ではないので機械で運んでいきます。

大まかに言うとロール状の鉄板から必要な長さを切り出し、金型が付いたプレス機で整形、曲げ加工や穴あけも行っていきます。

成形された鉄板はロボットアームで運搬。
プレスの工程のほとんどは機械で自動化されていますので、仕事内容は機械の操作・管理になります。
流石に重量物の鉄板を手で運ぶのは辛すぎます(⌒-⌒; )
その辺はロボットがやってくれるので安心して下さい。

溶接工程

文字通り溶接工程です。

プレスが済んだパネルは、機械で運んで車の内側にあたるインナーフレームの溶接を行い、続いて車体の外側にあたるアウター結合溶接やドア溶接を行っていきます。
車の種類によってはボディを上下に分けて溶接していく場合もあります。

溶接工程の多くは機械で自動化されていますが、パーツの取り付けのような一部の作業は人の手で行うことになります。
ロボットアームでは入りにくい箇所や人特有の技術が必要とされる部位、パーツが比較的小さく人の力でも持てる部品とかは人が溶接したりします。
溶接が完了すると検査が行われ、外観や接合部分などを細かく目視で確認していきます。
適切に溶接できているかどうかチェックする点検箇所は非常に多く、とても重要で神経を使う作業になります。

溶接に不備があった場合、必要な強度が得られず最悪の場合大事故に繋がり兼ねません。
なので、検査作業を入ったばかりの新人に1人で任せる事はありません。
熟練の作業員が横について教えてくれるので、少しづつ経験を積んでいけば大丈夫です。もし検査工程に配属になっても不安に思う事はないと思います。

塗装工程

自動車の修理工場とかに行くと作業服がペンキまみれになっている人をよく見ますが、実際に塗料を扱うのでどうしても作業服に塗料が付着してしまいます。

なので、塗装工程の作業員は通常の作業員とはまた違った作業服を支給され、作業をします。工場にもよりますが、その専用の作業服で塗装工程外に出る事はありません。

始業前に専用の作業着に着替えるイメージですね。
なので僕が居た工場では塗装工程の人は私服で通勤してくる人が多かったです。

自動車生産工場での塗装は先ず、埃や油を除去したあと塗料の入った大きなプールに自動車のボディ(フレーム)を沈める電着塗装からスタートします。
プールの中には電気を通しやすい塗料が入っており、自動車のボディをこの中に沈めて電流を流しながら塗料を定着させていきます。
電着塗装を行うと塗料が全体にムラなく定着し、サビを防ぐ効果もあるといわれています。電着塗装が終わると機械が継ぎ目部分にシーラーを塗布。
これによって水漏れやサビの発生を防ぐことができます。シーラー塗布が終了するとロボット作業による本塗装となり、3回ほど重ね塗りが行われます。塗装のほとんどの工程は自動化されているためロボットが中心となって作業を行いますが、ロボットアームが行き届かない部分については手作業で塗装していきます。
ここでも主な仕事は機械の操作・管理になります。

塗装が一通り終わったら検査を行います。
検査は蛍光灯で照らされた、ものすごく明るい室内で車体に光をあてて塗装にムラや気泡がないかどうか、細かくチェックしていきます。
塗装にムラが見つかったときには、ポリッシャーと呼ばれる工具を使って車体を磨き、塗装を均一に仕上げていきます。塗装工程は根気と技術が必要な工程になります。
几帳面で細かい作業が得意な人に向いているかも知れませんね。

エンジン工程

エンジンは自動車の心臓です。長年の技術の結晶とも言えるエンジンは「鋳造」→「加工」→「熱処理」→「組み立て」の順に作られていきます。

「鋳造」はドロドロに溶かしたアルミニウムを金型に流し込み、大きな圧力をかけてエンジンの形に整形していきます。

「加工」は鋳造したエンジンを金型から取り出して専用のドリルで穴を開けたり、不要な部分を削ったりしていきます。

「熱処理」は加工が終わった部品を高熱をかけて文字通り焼きます。
めっちゃ炎出てます。釜の中に入れて焼くので陶芸みたいなイメージですね。
これは浸炭(しんたん)と呼ばれる処理で高熱で表面を硬くして耐久性を上げる為の処理です。

で、いよいよ「組み立て」です。
熱処理されたエンジンに様々な部品を取り付けて一台のエンジンを完成させます。
と言っても1人で1台を組み上げるのではなく、作業員が何人もいて1人はこの部品とこの部品を取り付けたら、次の人が違う部品を取り付けて行きます。
部品毎に分業して組み立てて行きます。

また、ここでも検査工程が存在します。
作ったエンジンが設計通りに仕上がっているのかどうか、動かないエンジンを次の工程に運んでも仕方ないですからね。

そうして作られたエンジンは車体組み立て工程に運ばれて行きます。

組み立て工程

自動車工場と聞いてみなさんが一番に頭に浮かぶ映像はこの組み立て工程ではないでしょうか?
ベルトコンベアに乗った車体がゆっくり流れていき、色んな作業員が順番に下から横から前からインパクトドライバーを使ってどんどん部品を取り付けていく映像を見たことはありませんか?

あれです。
1台の自動車が完成するまでにだいたい17時間ぐらいかかると言われています。
工場全体で色んな工程が同時進行で進んでいくので、1分半に1台の車が完成して行くそうです。

他の工程で作られたエンジンやマフラー、内装パネル等、全ての部品が集約され取り付けられて行きます。

組み立て工程では流れて来た車体にネジを10個付ける。
付け終わったらまた次の車体に同じネジを10個付ける。
と言うふうに担当した作業をひたすら繰り返す感じですね。

エンジンを車体に取り付ける人はひたすらエンジンを取り付けて行きます。

担当した工程によってはユーザーが仕様を選んだりしているので車体に貼られた仕様書を確認しながら付けていく工程もあります。

ラインは同じスピードで流れて行くので組み立て工程では各作業が同じ時間で完了するように調整されています。
ここの組み付けは30秒で終わるけど、違う他の組み付けは3分かかるとしたら、ラインを頻繁に止めなくてはいけません。
そうならない様に担当する作業が振り分けられています。

もちろん人間が組み付けているので、人によって作業スピードが違いますし同じ組み付け工程でも人によって変わって来ます。
なので違う人がやっても同じスピードと品質になるように作業者は技術の習熟が必要ですし、作業スピードをある程度意識する必要はあります。
ですが、そればかりに気を取られると事故に繋がったり、不良品を出してしまいかねません。
なので、組み立てのラインには流れている車体の動きを止める『ヒモ』があります。
この『ヒモ』を引っ張るとラインは停止します。
ラインの至る所に設置されています。

何か異常があったり、『あれっ?』と思った時は『直ぐに止める』と言う事が徹底されています。
『止める』、『呼ぶ』、『待つ』です。
何か部品を落としたり、ネジを締めた時にいつもとは違う入り方をしたり、間違った物を取り付けてしまった時はラインを止めて上長を呼び、来るまで待つ。

人間なのでミスは絶対します。
どんなに熟練した人でもミスはします。
その時に直ぐに対応出来る様に『ヒモ』があります。
これは最初の研修で徹底されるのですが、新人はラインを止める事に躊躇してしまいます。
ですが、異常があるのにそのまま進んでしまうと取り返しの付かない事になる可能性があります。
異常があった時点で『止める』事が一番良いのです。
その都度対応するのが結果的に一番効率がよく早いですからね。

ラインを止める事は悪い事ではありません。
作業中、取り付けようとした部品が少しいつもとは違うなと思って作業を止め、上長を呼んでも決して怒られる事は絶対にありません。
逆に褒められます。

なので、異常があった時は躊躇せず、ラインを止めて下さいと教わります。
『安全第一』、『品質重視』と言う事ですね。

作業自体は単純なので、同じ動作を繰り返す動きが得意な人に向いている工程かも知れませんね。

検査工程

完成した自動車が設計通りに作られているか、ユーザーがリクエストした仕様になっているか、ボディーに凹みやキズがないか等、検査項目は多岐に渡ります。
塗装工程の検査と同じように明るい部屋で光を当てながら1台1台チェックして行きます。

最終検査になるのでここをパスすればやっと製品として出荷できる訳です。
作業者としては責任重大ですね(⌒-⌒; )

出荷

最終検査が終わればいよいよ出荷です。

完成した自動車を専門の担当者が、待機場(搬出待ち駐車場)に移動させます。
完成した自動車が先導車を先頭に敷地内の道路を走って行きます。
この時、完成した自動車(商品)が何よりも優先されるので、他の牽引車や歩行者全ての横断、通行がストップします。
敷地内の信号はアナウンスと共に完成車を優先して動きます。

その光景は「科学○捜隊」の緊急出動みたいでちょっとワクワクします。

もちろん完成車を敷地内で運転する為には会社が発行する免許が必要です。
一般の運転免許証だけでは運転する事は出来ません。
部品を運ぶ運搬車両も同じです。
会社が発行する免許が必要です。

まとめ

その他にもロボットで自動化されてる工程や組み立て工程にに部品を運ぶ物流や、組み立て工程が作業しやすいように、パネルの一部を加工や組み立てを行う組み立て物流など、間接部署がたくさんあります。
自動車の製造において皆さんがイメージするのは、ロボットが車のフレームをバチバチと火花を飛ばしながら溶接をしている姿では無いでしょうか?
それは自動車を作る上で極一部でしかありませんし、ほとんどの作業が人の手によって作られています。

今回の記事は少しボリュームが大きくなったので、最後まで読んで頂けたらとても嬉しいです。ありがとうございます。

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コテツ
こんにちわ!!管理人のコテツです。しがないただのおっさんです。以前、働いていた期間工についてご紹介したいと思いブログを立ち上げました。何かのお役に立てれば嬉しいです。